カテゴリー: 巻頭言, 新着情報   パーマリンク

朝こそ すべて                

活学塾塾長 谷﨑 利男
安岡先生は、「我々の生活にも常に機というものがあり、それを活かすことが重要だ。今の自分がつかんだものが、活機か殺機、失機かによって我々の生活が活発にもなり、だらしない無感激なものにもなる。“ここだ”と思うものをつかんだ時には急に生き生きとしてくるものだ。人間にとって大事な機のうち、我々が最も大切にしなければならないのは朝である。活きた時間というのは朝だけだ。本当の朝を持たなければ一日はだめだ」と言われる。
一日二十四時間、朝があり昼が来て夜になる。一日がただ機械的に過ぎていくと考えるのは、機械の一日に過ぎない。その中で、活きた時間は朝だけだと先生は言われる。したがって、この朝を活きた朝にしなければ一日が無意義になる。朝を活かすことから人生は始まるのだといわれる。
私は、この言葉に触れて以来十数年、毎朝五時半に起き、真向法(ストレッチ体操)をしてから、前日までに作った原稿を読み直すようにしている。前日あんなに悩んで作り、これしかないと思った文が全く違ったものに感じられ、すべてを書き直すこともしばしばである。「活きた時間は朝だけだ」という先生の言葉を実感する瞬間だ。
「人間は何事によらず新鮮でなければならない」とも先生は言われる。先生の言葉に触れる度に、鉄槌を受ける思いである。どうすれば新鮮であり得るかも示されている。「やはり真理を学んで、真理に従って生活しなければいけない。もっと突っ込んでいえば、人間としての深い道を学ぶ。正しい歴史伝統にしたがった深い哲理、真理を学び、それに根差さなければならない。葉や花と同じことで、十分に大地に根を張り、豊かな養分を取り入れなければ、四季に従って常に魅力のある生命のみずみずしさを維持してゆくことはできるものではない」。
関西師友協会は、去る三月、六十周年を迎え新たな六十周年へ向けてスタートした。今後とも関西師友協会の信条である「一燈照隅、萬燈照國」行を愚直に実行していきたい。