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日本の偉人を語り継ごう       

                                  本会安岡正篤研究会会長 浅利 一郎
安岡正篤先生の著書東洋倫理概論に次のような文章がある。
「我々に親の亡きことは避けられない不幸である。しかし師友の無いことは不幸の上に、
不徳である」と。
不幸とは耐え難い困難なことである。しかしそれは自分だけに課せられた困難であり、
自分自身がそれを乗り越える覚悟と努力をすれば這い上がれないものでもない。
しかし不徳とは自分が先人から学べたであろう教えを学ぼうともせず、ただ漫然と日々
を過ごしているだけで果たして人のために、また社会のために生きているということに
なるのであろうか。もしそうであるならば人として折角大切な生命を授かりながらそれ
を生かしきれないままで人生を終わる。
これは自分自身の不幸というだけではなく、生かせてもらっているという天の働きを無
為にすることであり、そのことが不徳と言っておられるのである。
わが国には多くの偉人(単に歴史上の人物という程度ではない)といわれる方々がそれ
ぞれの時代を形づくるのに偉大な貢献をしてきた。
戦前はこういう偉人を学校の教科書を通じて教えてきた。
二宮金次郎であるとか、乃木希典、楠木正行等々、これらの人々の生い立ち、行跡・業
績を読み、そこから何を学び取るのか生徒たちが話し合い、先生がそれを指導すること
で道心を育んできたのである。
それが戦後GHQの指導によってことごとくつぶされていったことは誠に残念である。
学校の先生方は今は忙しく偉人の功績を教える余裕がない。
そうであれば現役を退いた元気な高齢者が社会の子供たちに、教え聞かせるような仕組み
を社会の中につくり、将来を支える子供たちに師友を得る一助にすれば新たな老少関係が
築かれてゆくのではないだろうか。