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「平均寿命と生涯学習」

                                本会 会長 井手 正敬
 高齢化が叫ばれて久しい、何んとなく老人が生き辛い気がするのは私だけだろうか。
昔、日本では人生五十年と言われていたが、その実はどうなっていたのか。
日本のことは判らないが、物の本によると、世界の平均寿命の推移は、十八世紀、産
業革命以前約一万年間、男女とも平均寿命は20数歳。
それから200年後の1900年初頭のそれは31歳。
そして更に約100年後の2012年のそれは68歳
ということである。つまり今から1000年前の主要国の1人当たりGDPは殆んど
差が無かったのだから、人類の寿命が延びたのは、実に産業革命のお蔭なのだと言う
ことである。
 それでは我が国はどうであったのか。手元に資料がないので判らないが、産業革命
以前となれば、それは江戸幕府中期以前のことだ。
一般庶民のことは判らないが、その時代の有名人の寿命を挙げれば、信長48歳、
秀吉61歳、家康73歳。こうした人達は、戦運に恵まれ、当時としては大変贅沢な
生活をしていたから、永生きは当然と言うことかもしれないが、世界の平均からすれ
ば、医療も未熟な時代を考えれば、相当な長生きということになる。
もっとも、彼等より、もっと良好な環境にあったと考えられる七代将軍家継8才、
14代将軍家茂21才と言うことであり、やはり日本人の平均寿命も、世界の平均の
ところであったのだろうと推測される。
 先日新聞が報じた、現在の我が国の男性の平均寿命は81才と言うことであった。
又死亡原因で老衰が上位に位したとも報じた。
医療の進歩が今後も進み、若しかしたら老衰が死亡原因のトップになるかもしれない。
さすれば、人間の寿命の限界は120才位とされるが、私などは、あと四十年生き続
けることになる。
 安岡先生は、人間生涯学習と教えられた。もう世の中に、それなりの貢献をしたから、
これからは余生を、年金でも貰ってノンビリと過ごしたいなどと言うことは、少子、高
齢化社会にあっては、後代世代に迷惑ばかりかけることとなり、冒頭述べたように、老
人は全く生き辛いこととなってしまう、老人も積極的に学習し、更なる高みを求め、老
人にしかできない社会貢献をすることが、これからの老人に課せられているのではと思う。