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「人心の誠」

人心の「誠」というものは、やはり不滅のものであって、時に臨んで思わぬ発露をみるものである、と深く感じさせることがある。
「学に志す者、規模を宏大にせねばならぬ」と西郷南洲も教えているが、政治に関しても、
「国の凌辱させるに当たっては、たとえ国を以て斃るるとも、正道を踏み、義を尽くす」のが政府の本務である。然るに、
「金穀や理財の事を議するを聞けば、どんな豪傑かと見ゆるが、血の出る事に臨むと、頭を一処に集めて、唯目前の苟安を謀るばかり、戦の一字をわすれ、政府の本務を堕とすならば、商法支配所というもので、さらに政府というものではない」と論じている。
今日の一番痛い処を衝かれた感じである。
また、南洲曰く、
「正道を踏み、国を以て斃るるの精神無くば、外国交際は全かるべからず。
彼の強大に畏縮し、円滑を主とし、曲げて彼の意に順従する時は、軽侮を招き、
好親却って破れ、終に彼の制を受くるに至らん」
これこそ現在及び向後の日本の政府並びにあらゆる指導者達の迷いを救うて、決意を固めさせる有り難い策であると思う。各地各界において南洲を追憶し、顕彰してもらいたいものである。
『醒睡記』より