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時勢は期せざる所に赴く

年が改まると、新年の予想のようなことがそれぞれの分野で
盛んに行われる。
これは興味深いことであり、又必要なことである。
尤も当たらぬものの代表にされていた天気予報でさえ、相当
にあたるほど進んだ世の中であるから、時局の進展に関して
も、未来学といわれるものがぼつぼつ出てきたことも当然で
ある。
然し世の中はまだまだ佐藤一斎の詩にいわゆる、
「期せざる所に赴いて天一定す。無妄に動く、物皆然り」で、
人間の予期せぬ所へ赴いて、落ち着くものであり、予定の事
実ではなく、思いがけない事件(無妄)から、がたがたする
のが、いつもの事である。
一般に、人間の教養や行動が非常に勝れてくれば、理性に基
づいて合理的に動くから予想もし易い道理であるが、そうで
ない場合ほど偶発性、不測性が強くなる。
不幸にして今の日本は後者に属し、甚だ予想の立ちにくいも
のが多い。
『醒睡記』より