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国家像の世代間相違

                                  本会副会長  木下博夫
 来年度の国家予算が百兆円を超えるまでになり、税をベースとした収入が脆弱である。
生活基盤を支えるために必要な社会制度として医療・年金分野ばかりではなく、国土保
全といったインフラ予算もこのままいけば、最近の異常気象に対応する最低ベースの確
保すらおぼつかない国家財政状態にある。
 三十年余続いた平成の時代が終わるが、昭和と違って戦争がない平和な時期であった。
しかし一方では、昭和から続いてきたバブルが平成初期に崩壊し、世界的経済混乱にの
みこまれ、低成長期に突入している中で世代間格差が拡大し、先が見通せない状況であ
る。
 将来の国家像を考える際、世界的には民族、宗教、経済からくる分断問題が生じている
が、国内的には各々世代感覚の乖離が拡大傾向にあるために国の設計図つくりがうまくい
かない原因にもなりかねない状況になっている。世界の潮流と日本とそれは違いがあると
言えるが、日本における世代間の人生観、世界観、価値観の違いが顕著になっている。
 私達が人生の目標として何を求めているかについては、人それぞれ違う事は当然とはい
え、せめて日本人は世界からうらやましがられる国家運営、国民生活の水準をしっかり打
ち上げ、国民相互で共通化していきたい。そのためにも適切な提言、指摘のできる言論界、
ジャーナリズムの輩出を期待したいところである。
その際人間本位から距離を置き、単純なコンピューターの操作のみに目がいっているため
例えばビッグデーターなりロボットを活用する場合には、国家の課題、目標をしっかり見
定めて進むべきである。
 世代間の発想の食い違いを丁寧に修正し、とりまとめ直し、単に量の拡大、スピードの
速さだけが生活の豊かさであるとする発想を考え直していく時期にきている。