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大型首脳会議開催に想う

副会長 木下 博夫

・最近、内外の関係者に会うと、東京オリンピック開催の進捗状況についての話題が出る一方で、大阪・関西地区に期待する発言が多い。先般のG20の成果、そして2021年5月に開催される生涯スポーツ世界大会であるワールドマスターズゲームズ2021年関西大会、更には2025年実施が決定した万国博覧会と、関西での大きな国際会議イベント、祭典が続く事によるものと考えられる。世界の政治、経済の不透明感、混迷が厳しいだけに、将来の手がかりになる仕掛けに挑戦する取組みを私たちは大切に推進していくことが重要である。この際G20の会議を振り返って、二つの視点から会議の評価を試みてみたい。

・ まず1つは、会議の設営の在り方である。2国間の首脳会議を含めて20ヵ国にも及ぶ参加国が出席する会議を大都市において開催することは、客観的にみてかなり厳しい。一般市民の日常生活、とりわけ教育、通勤、物流といった根幹的活動が数日間とはいえ停止するような現実は、会議の設営運営方式として、開催される都市の現状を首脳たちに知ってもらえる機会が作られることは大変意義があるが、費やされるエネルギー、コストが活される会議はどういうものか点検すべきである。国際学会、見本市展等と比較して警備が重要になる首脳会議の開催について再考してよいのではないか。

・ もう1点は首脳会議で討議されたテーマについてである。主要なテーマは「自由、公平な貿易投資環境の在り方」「海洋プラスチックごみによる環境問題」「自由なデータ流通に向けた国際交流の枠組み」等である。最近は主要国のリーダーは「自国第一」を掲げ、強い国家像建設を目指すべきだと国民を説得、指導している傾向が強い。これだけ世界が一体的な経済体制の下で連携する一方、国家間の格差が顕著になってしまった中で、国民に何を期待させて行動をとらせるか。

・ 高齢化時代の健康向上、物資の充足による消費構造の変化、情報量膨大の中での経済システムの再構築のためには、改めて東洋思想が世界の文化、文明の懸け橋になるような提示をすべきではなかろうか。人類が欲望にまかせ今後進むことだけでは、真の幸福が実現できない。先進国が作ってきた20世紀の高度成長をもこの際一度立ち止まって、謙虚に語り合える機会になる首脳会議の開催こそ必要である。