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「士規七則」に込められた吉田松陰の思い

                                        本会理事  田中 昭夫

一、凡そ、生まれて人と為りては、宜しく人の禽獣に異る所以を知るべし。
   自らも、十代後半で学窓と親元を離れて社会の仲間入りをして、一番困ったのは何を
   根拠にして判断を下して、事を処すれば、世間の皆さんから後ろ指を指されずにすむ
   か、であった。
  昭和三十年代後半は、戦後の混乱から脱却して、高度成長期に入った時期でもあり、
  会社では左翼労働組合運動の活発な時期であり、春の賃上げ交渉にはストライキを
  連発して、労働組合の存在を誇示しておりました。
   会社には働くために入社したのに、ストライキとは、その不自然な姿に周囲に疑義を
  発していた一言が、先輩の耳に達して、全国師友協会・関西師友協会ー安岡正篤先生
  への縁と繋がり、ー人間学を学ぶ契機となりました。
  その時に教示されたひとこと、「聖學を修むれば、賢は賢なり、愚は愚なりに人物が
  出来る」でありました。
   後に知る『大学』の教え「天子よりもって庶人に至るまで、壱是に皆修身を以て本と
  為す。
   その本乱れて末治まる者は否ず。その厚うする所の者薄うしてその薄うする所の者厚
  きは、これ有らざるなり」と共に、我如何に生きるべきかの命題を担い、人生修業の
  旅のスタートとなり、八十路を目前にして、道半ば道遠しの思いと共に、道を踏み外
  すことなく愚は愚なりに人生を歩んでこられたのは道縁のお陰と感謝し、報恩行とし
  て皆さんと共に師友会活動に励んでいる次第です。
一、凡そ、皇国に生れては、宜しく吾が宇内に尊き所以を知るべし。
  我が国の悠久の歴史は、『古事記』『日本書紀』といった書物からその起源を窺い知る
  ことができますが、御代替りに際しての様々な儀式が執り行われますが、そこには、こ
  の神々の精神が息づいています。
   儀式そのものは、時とともに変化してきましたが、大嘗祭をはじめとする皇位継承の諸
  儀式は、日本は万世一系の天皇陛下を奉じて、世界に類のない国であることを改めて認
  識する好機です。