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教 化

学問が真に身につくと、教学は人を化する。が、その教化や易俗を
誰もが口にして、実は口先だけのことだ。
大抵等閑に附し、文部大臣のことを伴食大臣などと軽視する。だが
教化とは深遠な言葉であることを知らねばならない。

現代政治の根本的課題は利害の政策を主とするか、或いは教化によ
る国民の優秀を第一とするかの二者沢一といわれる。
しかし何時の世も治乱興亡は免れず、根本問題は自ずから治乱興亡
を越えて、精神・道徳・教化を淳くしておくことだ。
これが東洋政治哲学の結論である。

教化は観念や感傷の段階に止まってはならない。力の容易に乗ずる
所となるからだ。
自由主義社会の矛盾は“力”にも徹しきれず、教化にも真剣でない所
がある。感傷的な平和論や理想論は無益なだけでなく危険である。

江戸時代、水戸藩に南郷という貧乏と悪徳の代表的な難郡があった
が、この郡奉行に若き小見山楓軒(昌秀)が抜擢された。彼は十年
にしてここを模範的な町村に変え、転任する時は彼を慕う群民が沿
道に号泣して見送ったという。
教化というものの偉大な例だが、これを思えば政治家が国家を革新
することなど、できないことはないはずだ。
「照心語録」より