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令和の年を迎えて靖国神社参拝を考える      

                                     本会参与     井上昌幸
 今年の五月一日に御代替わりとなり、令和の年を迎え、即位の礼が挙行されました。
昭和五十三年(一九七八)にA級戦犯が合祀されて以来、歴代天皇は靖国神社への
御親拝をされていません。
何故このようなことになったのか、国民として知っておくためにこれから説明して
いきます。
 戦犯にはA級、BC級がありますが、昭和四十二年(一九六七)十月までにBC
級戦犯は靖国に合祀されました。昭和五十三年年七月に第七代宮司(元海軍少佐・
陸上自衛官)が就任され、同年十月十七日にA級戦犯十四柱を秘密裏に合祀されま
した。
しかし昭和六十年(一九八五)八月十五日に中曽根首相が公式参拝すると、近隣諸
国から厳しい批判を浴びることになりました。
政府は昭和二十七年十月、A級戦犯を含む拘禁中の全ての戦犯の全面赦免を関係各
国に要請しました。
重光葵(禁固刑七年)や賀屋興宣(終身禁固刑)などは公職に返り咲きましたが、
連合国側は「戦争犯罪人だ」などと異論をはさみませんでした。
サンフランシスコ講和条約、第十一条の条約が発効すると日本政府は直ちに戦犯者
の名誉回復にとりかかり、昭和二十八年八月の国会では全会一致(共産党も含む)
で「戦犯として処刑された人々は、法務死であって戦死者とみなす」と決議しまし
た。そして関係諸国に交渉して、十一ヵ国から承認されたのです。
国権の最高機関である立法府において、決議、法律まで作ったものを無視するなら
ば、日本は法治国家の名に値しません。このことは誰も文句をつけようがないはず
です。
国内的には戦犯刑死者も戦死者も区別なく、A級戦犯は存在しないということを国
民として理解していかなければなりません。
靖国神社参拝は国内問題であることを国内外に広報していくことが喫緊の課題では
ないかと思います。