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自ら靖んじ、自ら献ずる

活学塾塾長 谷崎利男
夫れ学は通の為に非ざるなり。窮して困しまず。憂へて意(こころ)衰えざるためなり。
禍福終始を知って惑わざるがためなり。(荀子)
学問は専門家になって有名になるためにするのではない。ここに人間学を学ぶ第一の
目的があると安岡先生は述べておられます。
誰にとっても人生は思い通りにいかないことの連続です。その度に頭が真っ白になったり、
心の平静を失って仕事も手につかなかったりするようでは、外物によって自己が支配され
ているのです。
たとえどんな不安困惑に直面しても、その不安を抑え、淡々と処理し、平然として仕事が
続けられる。これが人間の人格的価値なのです。
学問によって自己を磨き上げ、人格的価値を高めることによって、世のため人のためにも
尽くせる人間になることを目指すのです。
さらに、安岡先生は人間学の第二の目的として、天はその意志である「万物一体の仁」
(万物へのおもいやり)を実行する為、人に「徳」を与えた。
人は人の思いが天の思いに一致した時、その能力が最大に発揮され、最大の効果を上げる
と同時に、心地よく思う生理を与えられているとおっしゃっています。
人は「徳」に依って行動する時、内面的に良心の安らかな満足を得、「自らを靖んずる」
ことができるのです。
またそれを外に発しては、何らかの意味において世のため人のために尽くす。すなわち
「人の為に自己を献ずる」、これなくしては人間ではない。動物と何ら変わらないと
安岡先生は述べておられます。
仕事を通じて何らかの意味において世のため人の為にならねばなりません。私たちは、
今後とも「自ら靖んじ自ら献ずる」安岡人間学の普及のため、一燈照隅、萬燈照國行
を続けてまいりたいと思います。